(追記あり) DJ AGAを忘れないために。
5月末のある電話により、長年の友人であるDJ AGA(以降AGAちゃん)の訃報を聞きました。以来「あの時ああしていれば」などの悔やむ思いが消えないでおります。また訃報の公表後、連絡が絶えない事に彼の影響力の大きさを感じています。
自分はDJ活動を行うにあたり、AGAちゃんにとてもお世話になりました。このため彼を称え、忘れないためにも活動をまとめた記事を書いてみました。
はじめに
※今回の内容は、筆者の記憶を頼りにしている部分が多く含まれております。誤った内容があれば、コメント欄か各SNSでご指摘いただけると幸いです。
※友人達からはAGAちゃんの写真を数多く提供してもらいました。この場を借りて御礼申し上げます。
DJ AGAとは(ざっくりな活動履歴)
DJ AGAは千葉県を拠点に活動を行なっていたHIPHOP DJ。
10年前の自己紹介では「与えられた時間の中で自身がピンと来た『HIPHOP』を操り(中略)、意外性のあるPLAYで1 本の確かな線で繋ぐ」ことを特徴として挙げていました。
活動初期(2000年代後半)
AGAちゃんは2000年代後半からDJ活動を始め、当初は柏にあったアメカジ系洋服店・EASTERにてフリーMIXCDを配布していました。
自分はこのMIXCDを偶然入手し、市販されているMIXCDに引けを取らない内容にいたく感動したため、連絡を取って対面しました。その後、AGAちゃんは柏にある某レコードショップの店員になっていました。
同時期に、南柏にあったCLUB WATER(LUZROOTS)でのイベントにAGAちゃんはDJとして参加し、そのストイックな選曲と姿勢が一部で話題になりました。2009年には初のMIXCDを発売しています。
また当時は柏でUMB(ULTIMATE MC BATTLE)の千葉予選が行われていたため、WATERには柏周辺のMCやDJが集まっていました。このような流れもあり、AGAちゃんは2010年頃からVOLOくん(現VOLOJZA)のバックDJを開始します。
VOLOくんのバックDJでもアナログを多くプレイしていたことが印象的で、下のビデオではVOLOくんの原曲にマッチしたアナログのみでライブしています。
ASTRO RECORDS加入(2010年代前半)
AGAちゃんは2011年から2012年頃に、茨城・土浦を拠点とするDJ&MCのクルー・ASTRO RECORDSのメンバーになります。
ASTRO RECORDSのDJ陣は、AGAちゃんやDJ MOND君など。新旧NYアンダーグランドヒップホップなどを軸として、アナログでハードにプレイすることで評判を高めていきました。
AGAちゃん自身もこの頃から年1~2枚のペースでMIXCDをリリースしていきます。当時彼らにCLUBプレイを動画に撮って欲しいと依頼されたので、自分のチャンネルにビデオが沢山上がっています。
さらなる飛躍(2010年代中・後半)
2010年代半ば以降、ASTRO RECORDSでの地方遠征やVOLOくんのDJとしての遠征などが増えていき、その名が各地に広まっていきます。
合わせてMIXCDのリリースもコンスタントに行い、Beat Makerとしても代表作を生み出し、シーンに名を刻みます。
2019年には偶然出会ったラッパー・NORIKIYO氏のRemixがアナログでリリースされ、即完売となりました。眼鏡つながりで意気投合、という話から2人の関係性を伺えますね。
筆者(1an)との関わり
活動履歴の初頭に書いたように、筆者は2000年代後半にAGAちゃんに出会い、彼の出演するパーティーに足を運ぶようになりました。
その流れの中Club Waterの店長からDJの誘いを受け、現場でのDJを本格化させました。AGAちゃんとは今でも誇りに思っているパーティー・SHEETS OF SOUNDでも常に一緒でした。
また、前述したVOLO君達と一緒に富山に遠征したり、DJ MIXを一緒に作ったり、レコードを買いにいったり… など、長年の付き合いの中で数多くの思い出があります。
自分がMIXCDをはじめてリリースしたのもAGAちゃんの誘いによるもので、当初は彼が働いていた店舗限定でリリースされました。
このため、AGAちゃんはDJ活動を進める上での恩人であり、彼が居なければ自分はDJを続けていなかったり、MIX CDを引き続きリリースしていなかったと思います。
様々なエピソード
ストイックさと耳の良さ
AGAちゃんは彼のプロフィール文にもある通り、意外性のある選曲ができる人でした。
当時周りでは誰も知らなかったRoc Marcianoをいち早くプレイしていたり、皆がこぞってプレイしていたJ Dillaの曲でも、あまり選ばれない"Cold Steel"をかけていたり(下の動画で確認できます)。普段から多くの曲を耳にしていた事を裏付けています。
焼肉屋の出来事
これは笑い話なんですが、AGAちゃんは酔うとすごく食べるのが印象的でした。
AGAちゃんが仕事で忙しい時に連絡があり「焼肉食べましょう!」と誘われたので、自分の最寄り駅に来てもらいました。
まずは自分のお気に入りの飲み屋で、たらふく焼き豚とビールを注入。
次にメインの焼肉屋に行ったのですが、何かスイッチが入ったように、各種の肉とサイドメニュー、最後のスイーツまで制覇してしまいました。
自分も結構食べる方ですが、焼肉屋の支払いがそれぞれ8,000円以上になったのは、あの日以外ありません。
リリース音源リスト
こちらではDJ AGA名義のMIX CDとアナログのリリースをまとめてみました(Discogsにも簡易ディスコグラフィーあり)。トラック提供とスクラッチ提供に関しては調べ切れなかったので省いてます。
MIXCD・アナログレコード(年表記のみはMIXCD)
STRAIGHT SOUND (2009)
NEXT GROUND DANCE (2010)
STRAIGHT SOUND CHAPTER 2 (2011)
RAW ELEMENTS (2011)
NEXT GROUND DANCE 2 (2012)
SNIPE & DJ CARTMAN - Sure Shot / VOLO & DJ AGA - Hannival (2013,7inchレコード)
STRAIGHT SOUND CHAPTER III (2013,限定店舗配布)
RAW ELEMENTS 2 (2014)
NEXT GROUND DANCE 3 (2016)
SMOOTH HARDCORE (2018)
DJ AGA・SENNA / DRAMA CITY・MARSMALLOW (2019,7inchレコード)
SMOOTH HARDCORE 2 (2019)
NORIKIYO / It Ain't Nothing Like HipHop Remix (2019,10inchレコード)
ネット上の音源・MIX
ネット上にも数多くの音源がアップされています。
MIXCLOUDではMIX CDと異なるテーマで作られた音源が聞けます。
さいごに
AGAちゃんの残した音源は数多く、その端端から彼のHIPHOP考・性格などが伺え知れると思います。このblogを元に、彼の音源に触れる人が増えてくれれば幸いです。DJ AGA FOREVER!
追記:お墓について
AGAちゃんのお墓についての情報が共有されたので、下記に記載しておきます。
折を見てお墓参りに行こうと思います。
2023/4/25追記・作品購入先リンク
早いもので一周忌が来てしまいました。
旧友と会う度に、彼との思い出や彼が好きだった曲の話をしています。
中には「AGAちゃんの作品を改めて欲しい」という方もいらっしゃったので、ミックスCDやレコードを新品で購入できるリンクを追加しました。